おじいさんの古時計
[2026.09.01]
今日は防災の日。大正十二年(1923)九月一日に十万五千人余りの死者・行方不明者を出した関東大震災が起きた日です。マグニチュードM7.9の巨大地震が発生したのは正午頃で、外出していた私の祖父は倒壊した建物の下敷きになり亡くなりました。明治二十四年(1891)に誕生した祖父には愛用していた枕時計がありました。その枕時計はフランス製で明治三十三年(1900)年に製造されたゼンマイ式時計です。でも、祖父が亡くなってからは誰からも見向きもされず、動きを止めたまま蔵の中にひっそりと眠っていました。でも、私は最近になり修理してくれる時計屋を探して頼み込み、約半年間かけて元の状態にしてもらいました。枕時計はスケルトンのため内部構造が透明で、心臓の鼓動の様にバネが動いているのが見えています。そして、1時間ごとに二重打ちで教会の鐘のような軽やかな響きを鳴らしてくれます。私には、かつて祖父が愛用していた枕時計が私に対して物語を聞かせているかのように思えるのです。
